1日2回の講演をするのは日常茶飯事です。
午後1回、夜1回というのがノーマルなパターンです。
特に肉体的にも精神的にも問題はありませんが、過去一度だけ1日3回の講演をすることがありました。
それも5時間の間に別々の会場で3回です。
このときのことは今でも苦い思い出として残っています。
1日3回でも、例えば午前、午後、夜というように時間の間隔が十分に開いていれば何も問題ありません。
この石川県での講演も当初引き受けたときには、会場も別々だし十分に間隔が開いているのだろうと勝手に判断し引き受けました。
しかし、前日夜石川に着いた私は担当者から翌日のスケジュールを聞いて唖然としました。
●スケジュール
10:00〜11:00 講演 能登市
(移動・昼食)
13:00〜14:00 講演 小松市
(移動)
15:00〜16:00 講演 金沢市
『なんだこの強行スケジュールは?』
内心不安になりましたが、そこは講師です。
『あっそうですか。分かりました。よろしくお願いします』
などと平静を装いました。
そして翌日、1回目の講演が終わり、『まあまあ反応も良かったし上出来かな』と思いながら講師控え室でお茶を飲み、すぐに車で小松市の会場に向かいました。
会場に着くと控え室に昼食の用意がしてあり、昼食をとり2回目の講演に向かいました。
2回目も一所懸命にお話させて頂き、まずまずの出来。
しかしここからが問題でした。
講演を終えるとお茶を飲む間もなくすぐに次の金沢市に移動。
道が混んでいたこともあり会場に着いたのが開始の5分前です。
休む間もなくトイレに行き即講演です。
ところがここで思いもよらぬ事態になりました。
声が出ないのです。
勿論声そのものは普通に出ます。
つまり力のあるいつもの声がでない「ガス欠」のような状態になっていたのです。
私の講演はいつも全力投球、聴講者の心に届けと思いを込めて話をします。
それが仇になったようでした。
ペース配分など気にせずに全力でやったため、2回目の講演でエネルギーを使い果たしてしまっていたのです。
そうなると聴講者には伝わりません。
1・2回目共に寝る人は皆無だったのが、この3回目ではそこかしこに寝る人の姿が・・・。
『やばいぞ・・・』と内心思いましたが、盛り返す気力は残っていませんでした。
講演をしながら『あー早く終わってくれ!』と投げやりになったのは後にも先にもこの講演ただ1回です。 |