人前で複数回話をしたことがある人ならば実感することですが、同じテーマのスピーチでも昨日と今日とで聴講者が違えばその会場の雰囲気はまったく別のものになります。
それは見事に感じが違うものです。
打てば響くような大変反応が良い場のときもあれば、「糠に釘」「暖簾に腕押し」といった反応が悪い、反応がない場になることもあります。
その感じの良し悪しも講師の立場で「最初の5分」で分かるものです。
反応の良い場の場合は、聴講者を惹きつけるのはさほど難しくありませんが、反応が悪い場の場合、より工夫が必要になります。
また通常、スピーチ開始直後は、講師だけでなく聴講者も緊張しているものです。
双方が緊張したままでは、せっかくスピーチ内容が素晴らしくても聴講者の心の中にまで浸透していきませんので、冒頭部分で緊張を解きほぐすことが大切になってくるのです。
具体的なスピーチの始め方をみていきましょう。
●スピーチの始め方
出だしに注意する基本的事項として最も大切なことは笑顔です。
「笑顔は世界の共通語」といいますが、スピーチに関しても、とてもとても大切なことです。
もしあなたが『私は笑顔が苦手だな』と思うようなら、今日から鏡の前で笑顔の練習をしましょう。
笑顔は練習することで上達します。
「笑顔で話す」というのは、最も大切なことと言ってさしつかえありません。
『緊張して笑顔がひきつる?』ひきつっててもいいから笑いましょう。
普通10代、20代の頃は口角は上がっているものですが、30代そして40代になるとだんだんと口角が下がり、やがてへの字になっていきます。ですから30代以降の人は特に日頃から意識的に口角を上げることをおすすめします。
笑顔が難しいというなら、せめて口角を上げましょう。それだけでも印象は随分変わります。
次に気をつけるのは、大きめに声を出す、ということです。
できるだけ明るく元気な発声を心がけましょう。
声には案外その人の人間性が出るものです。
次に、しっかり一礼するということです。
当たり前のことですが、先生気取りしている講師は、この一礼を適当にする傾向が見受けられます。聴講者はこういう細かな点をよく見ているものです。注意しましょう。
●出だしの手順
・@一礼→A挨拶→B自己紹介
・@挨拶→A一礼→B自己紹介
一礼してから『皆さまこんにちは!』と挨拶するか、『皆さまこんにちは!』と挨拶してから一礼するか、どちらでも構いません。大切なことは冒頭部分でしっかり一礼することです。 |