講師をしていて一番辛いのは、なんといっても聴講者に寝られることです。
一所懸命にやっていればいる程空しくなります。
なんとか起きてもらおうと一層力んで話をしますが、一度寝てしまった人を起こすことは容易なことではありません。
『寝ている人起きて下さい!』と言うわけにもいきませんし、自発的に起きてもらうしかありません。
そこでいかに寝かさないかということになりますが、眠くなるには2つの大きな理由が考えられます。
@単なる寝不足、昼食を食べた後などの生理的理由、環境(会場が薄暗く、室温・湿度が高い)
A講義がつまらない、興味がない
この2点です。
いずれの理由にしても、私の経験では講師の力量で寝かさないことは十分に可能だと断言できます。
私は試行錯誤を繰り返し、人を眠らせてしまう「睡魔」には天敵がいることが分かりました。
それは”笑い”です。
睡魔は笑いに弱いのです。
確かに、ハラハラ・ドキドキ、ドラマチックな話なら眠くはならないはずですが、講義というものはほとんどの場合、ドラマチックな話ではなく、知的な内容が多くなるものです。
話自体で惹きつけるのは勿論ですが、テクニック的には、要所要所に”笑い”を入れるのは大変効果的です。
私の場合、1時間の講義で3〜5回は必ず”笑い”を入れるように努力しています。
序盤、中盤、終盤にそれぞれ1回以上入れています。
人を納得させたり、感心させることはそう難しいことではありません。
聴講者が持っていない情報、知らない知識・知恵を講師が持っていれば大丈夫。
「質」「量」共に講師の情報が上ならば、余程話そのものが下手でない限り、「なるほど」と思わせられるものです。
しかし、笑わせることは大変難しいものです。
講師をするようになって、落語家や漫才師を見直しました。
『私は人を笑わせることなんかできそうもない』という人は、名人と呼ばれるような落語家の噺を聞いてみるものいいでしょう。
いずれにしても、”笑い””ユーモア”は人の心の潤滑油です。
「笑い」は場を和ませ、人の心をリラックスさせる効果があるのです。
眠気防止には”笑い”が一番です。 |