あがり症防止の最も古典的なテクニックは、やはりこの「手のひらに人という字を3回書いて飲み込む」というテクニックでしょう。
このテクニックがいつ頃、どこで始まったのかは不明ですが、昔から伝えられているあがり症防止の古典的なテクニックです。
一度はやったことがある方も多いのではないでしょうか。
「飲む」を辞書で調べると、以下のように出てきます。
飲む
(1)口の中のものを腹の中へ入れる。
(4)闘志や気魄で相手を圧倒する。「会場の雰囲気に飲まれてしまう」 (大辞林)
手のひらに「人」という字を3回書いて飲み込む動作は、「人を飲み込む」ということで、大勢の人前に出たときに、その大勢の人に飲まれないようにするというおまじないのような要素があると考えられます。
一説によると、手のひらの中心には心を落ち着かせる「労宮」というツボがあって、人という文字を書くとその「労宮」というツボを自然となぞるらしいため、あがり症防止の効果があるといわれています。
「労宮」は心臓に繋がっていて、そこを軽く触れるだけで交感神経の興奮を抑制し、ほてりやめまい、緊張をほぐす効果を得られるとのことです。
(労宮の位置は手のひらの中央。指を握ると中指の先端が手のひらに当る所。)
手のひらに「人」という字を3回書いて飲み込むとは少し異なりますが、歌舞伎役者の故・中村勘三郎は、先代の勘三郎の名前を手のひらに書き、緊張せずに舞台を続けるまじないをかけていたという逸話が残っています。
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